北アルプス 槍ヶ岳山行記録/関西の山の会会員募集「山があるクラブ・Ⅱ」登山クラブ

山行記録

北アルプス 槍ヶ岳(3180m) 上高地~槍沢~槍ヶ岳~槍平~奥穂高温泉

 81日(土) 晴れ
   JR守山駅(73121:30出発)-平湯温泉あかんだな駐車場(1:004:30出発)-(タクシー)-上高地(5:106:00出発)-河童橋(6:10~40)-小梨平キャンプ場付近(6:50~7:40)-明神(8:258:40)-嘉門次小屋・穂高神社奥宮(8:5009:10)-徳沢(10:30~11:00)-新村橋(11:05~11:20)-横尾山荘(12:00)昼食    行動時間:6時間分(休憩時間含む)   歩行距離:約12

  守山駅で大阪、彦根、栗東の4人と合流し、高山経由、平湯温泉のあかんだな駐車場に向かう。途中、SAに寄り翌81日の1時ころに到着。駐車場が開く3時ころまで車の列に並ぶ。駐車場で更に休み、階段を下りたところで待機するタクシー(定額料金6000円)を利用して上高地に向かう。
 上高地への規制解除は
5時であるが、早めにゲートが開き、5時過ぎに到着する。すでに登山者で溢れていた。ベンチで朝食と山準備を済ませ、河童橋に行く。ここで全員の記念写真を撮る。この後、チョウ観察のため岳沢へ向かう南井さんと別れ、4人はゆっくりと横尾山荘に向かう。小梨平キャンプ場の梓川沿いでゆっくりコーヒーをいただく。このあたりではほとんど歩くこともなく別世界の雰囲気を味わえる。荷物を持ちすぎても苦にならない。山に登らなくても、こんな場所で家族でゆっくりキャンプをするのも良いなと思う。

   
 上高地の梓川と穂高岳   上高地を流れる清水川の清流 

 出発し明神まですすむ。道はよく整備されていて、サンダルの人もちらほら見かける。そういう自分たちも山小屋用の持参サンダルでここまで来てしまった。時間はたっぷりあるので、穂高神社奥宮、嘉門次小屋に足を伸ばす。以前ここまできたことを思い出す。その時のお礼の気持ちでお参りする。皆それぞれ何やらお願いしているようだ。
 先へ進むと「氷壁の宿」徳沢園に到着、井上靖の氷壁は読んだことが無い。それよりみちくさ食堂なる綺麗なお店が隣にありかなり美味しいソフトクリームが食べられる。ここでちょっとしたお土産を買ったりした。少し進むと新村橋が架かっている。当然渡ってみる。メンバーの一人が以前にここからパノラマコースを行ったらしい。彼女は武勇伝がありすぎて楽しい。
 さらに進みお昼には横尾山荘に到着、チェックインは
13時ころかららしく、先に食事をすることにする。ゆっくり食事を楽しむ。といってもあらかじめ買っておいたコンビニのパンだ。ここまでなら重くてももっと美味しいものにすればよかった。その後部屋に入り荷物を下ろす。外でぶらぶらしていると別行動の南井さんが到着した。4時にお風呂に入り、5時に夕食を取る。綺麗で食事もおいしかった。食後に外を散歩し、テント泊で食事を作る人を横尾大橋から眺める。美味しそうだ。皆で、テント泊や自炊の話で盛り上がる。山にがっつり登らなくても、そういう楽しみもある。今回は、3日かけて長距離を歩くので、できる限り荷物を減らしてきたのだが、今回ぐらいの余裕をもった日程であれば、もう少し嗜好品やらを持参するのも良いなと思う。お酒好きな人々の荷物は驚くべきものがある。(液体は重い)
 夕暮れの山と雲を眺める。こちらは夕日が射さない側だが、山の上に流れる雲は赤くきれいだ。天気も良く晴れやかな気分。翌日からの予定に多少の不安と大きな期待が膨らむ。とても快適な宿で、ぐっすり眠れた。
(瀧井)

8月2日(日) 晴れ
   横尾山荘(5:40)-槍沢ロッジ(7:117:21)-槍沢雪渓(8:118:21)-天狗原分岐(9:209:25)-小刻みに小休止-槍ヶ岳山荘(11:5213:20)-槍ヶ岳(13:5014:15)-槍ヶ岳山荘(14:40    行動時間:8時間(休憩時間含む)歩行距離:約10 

  5時の朝食を済ませ、5:40に出発する。梓川上流、二ノ股谷に続く渓流沿いを進む。ヤマジノホトトギス、ソバナ、ツリフネソウなどが見られる。途中、槍見岩があり、槍の先がちらりと見える。元気のいい2人が岩の上でポーズを取る。吊り橋を渡り、出発してから1時間30分で槍沢ロッジに到着する。清水でのどを潤し、甘いものを口にする。

 
雲一つない青空が広がっているが、暑く汗で体がびっしょりだ。ここからは谷筋で、前方に雪渓が見える。次第に近づき、振り返ると蝶ヶ岳だろうか山容が迫る。雪渓の上で休みを取る。風はないが、幾分涼しい。谷方向は見下ろすと見ごたえのある風景が広がる。写真を代わり代わるに撮る。大きなカーブの大曲を過ぎ、谷筋のごろごろした道を進む。次から次へと花が現れ目を楽しませてくれる。前方には大きな山容の中岳が控えている。小刻みに休みを入れながら、花の写真を撮りながらの登りである。傾斜も結構あり、結構つらい。天狗原分岐には、シナノキンバイの大群落とハクサンイチゲの大群落が入り混じり、白と黄色が何とも美しい。ミヤマダイコンソウ、イワギキョウ、ミヤマキンポウゲが見られる。ベニヒカゲが少ないながら飛んでいる。
 ジグザグのつらい岩場の道を進む。子供の方が元気そうだ。それにしても人が多い。登山道は長い列ができている。天狗原分岐からさらに
2時間30分弱をかけやっと槍ヶ岳山荘に着く。槍ヶ岳の山頂は、なかなか見えなかったが、目の前に見えてからが結構時間を必要とする。槍ヶ岳山荘にはちょうどお昼時間に到着する。 お昼を食べ、ゆっくりとして体力の回復を待って、山頂に登る。山頂までは行列ができ、なかなか到着しないが、最後の梯子を登り切った途端、何も遮るもののない空間、360度の大パノラマが広がる。祠におまいりし、その前で全員の記念撮影となる。 
 以前通った縦走路や山々を確認しながら思いにふける。餓鬼岳~燕岳~大天井の表銀座縦走路、常念岳~蝶ヶ岳の稜線、片や劔岳、立山連峰~薬師岳に続く縦走路、黒部五郎岳も堂々の迫力、烏帽子~野口五郎岳~水晶岳~鷲羽岳~西鎌尾根の裏銀座縦走路、見飽きることのない素晴らしい眺望が開ける。同行の
4人は今回が初めてのことで喜びもそれなりのものとなった。
 韓国からの登山客も多く、さすがは名高い槍ヶ岳のことはあるなと感心した。私は
100名山踏破の最後がこの槍ヶ岳で2006年以来、10年ぶりになる。感激に浸りながら十分な時間山頂にいた。足場に気をつけながら山荘に戻った。夕暮れ時はガスがかかり、夕焼けは期待ほどではなかった。興奮冷めやらぬ中、7時過ぎには布団の中だった。(南井)

 
槍沢下部の雪渓    槍沢のハクサンイチゲ(キンポウゲ科) 
 
槍沢を登る   タカネシオガマ(ゴマノハグサ科) 
 
肩の小屋から槍沢を見下ろす    槍ヶ岳山頂にて 
 
山頂から槍ヶ岳山荘を見下ろす   槍の穂を下る
   
槍の穂から大喰岳、中岳、南岳と穂高岳     

   83日(月) 晴れ
   槍ヶ岳山荘(6:10)-飛騨乗越(6:20)-小休止(7:207:30)-槍平小屋(8:509:07)-白出沢(11:3611:50)-奥穂高温泉ロープウエイ口(13:2013:30バス)-平湯温泉(14:0014:05)ーバス(無料)-あかんだな駐車場(14:12  行動時間:7:10 歩行距離:約16km

    朝食は5:00からだが、軽装でご来光を待つ。岩場の上で待つこと20分、槍ヶ岳山頂の右横から太陽が顔を出す。雲海から姿を現すその瞬間は感激ものだった。大喰岳が染まり、雪渓も美しい。その右手の乗鞍岳や御嶽も雲海にシルエットとして浮かびあがる。笠ヶ岳~双六岳の稜線、黒部五郎岳、三俣蓮華~鷲羽岳~水晶岳に続く裏金座縦走路も昨日とはまた違った様子を見せる。
 
5時を過ぎてから小屋に戻り朝食を取る。6時に出発する。飛騨乗越からは岩混じりの単調な下りだ。花は少なく、足元に気をつけながらの下りが続く。1時間ほどで樹林帯に入る。何組かのパーティや、単独の登山者とすれ違う。槍平小屋には2時間40分で着く。ほぼコースタイムである。ここでも冷たい清水で喉を潤す。ボトルの水を入れ替え、同じような樹林帯の中の道を下って行く。時には軽い登りも入る。更に白出沢まで2時間30分、大きな沢に出る。大水で岸が崩れたとかで改修修理の状態だった。工事用の人と車があって、登山者用の休憩所が設置されている。淡々と歩いてきたが結構長い。大休止を取る。ここの水はあまり冷たくなく、美味しさもイマイチだった。
 白出沢から奥穂高温泉まで砂利道の林道が更に
1時間30分続く。予定を少々オーバーした時間で奥穂高温泉にたどり着く。タクシーはどこも予約が一杯で、バスを乗り継ぐことになったが、幸いほとんど待つことなく乗車できた。白出沢に出るまでの道ではアイノミドリシジミが、奥穂高温泉までの林道では、イチモンジチョウ、アサギマダラ、サカハチチョウなどが現れた。平湯温泉でも待つことなく、上高地からあかんだな駐車場行きのバスに乗ることができた。
 下山後は、
奥飛騨温泉郷平湯温泉「ひらゆの森」で食事と温泉で疲れを癒し、お土産を買った。16:30には出発する。帰り道は280㎞強、3時間30分の行程だった。無事遠征を終了し、JR守山駅で解散した。好天に恵まれた山行だった。(南井)

 
槍ヶ岳のご来光 

参加者 会員5(南井、瀧井、深尾、前田、和田)

コース

 
槍ヶ岳山行コース  深尾作

この背景地図等データは、国土地理院の電子国土Webシステムから配信されたものである。

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